レースが好きだ。
リボンが好きだ。
キュッとくびれのあるウエストが好きだ。
そんなわたしの好きなものが詰まったワンピースブランドが、かつて存在した。
ハヤカワ五味さんが立ち上げた細身の方向けのブランド『ダブルチャカ』というのがそれである。(中肉中背でも着れます)
https://twitter.com/doublechaca?s=21&t=cYRrLCE4YkbXs9solB1u5w
ラフォーレ原宿にはLAVI SHOPという名前の店舗があり、ハヤカワ五味さんが立ち上げた細身さん、小胸さん向けの下着ブランドfeast(フィースト)と共にその商品たちは置かれていた。
ブランドのスローガンは、『好きなものも人生も諦めない』である。
強い。好きなものも人生も諦めない。いやほんとこれを胸に生きてます今も。好きなものは全力で好きだし、そのために今も働いてます。あとレースでできた拳銃可愛すぎる。
ダブルチャカは靴も可愛かった。30分に一本のJRと戦う(なお1時間に一本になりましたやばい)女は走れる靴じゃないと厳しいので基本的にはぺたんこ靴だし、靴は店舗で買いたいしで結局履けたことはない。でも可愛かった。
私がダブルチャカを知ったのは、大学四年の冬。たまたまTwitterで流れてきたトリガーワンピースのグレーに一目惚れしたのが始まりだった。
https://twitter.com/doublechaca/status/957191629378588672?s=21&t=cYRrLCE4YkbXs9solB1u5w
「は?なにこの可愛い服…え、黒のレースやばすぎん?え?なにこれ背中やば…むり…」
リアルにそんなことを呟きながらiPhoneが映すそれに釘付けになった。可愛くて品があるのにどこかセクシー。最強すぎでは?
そこで私はダブルチャカを知った。なんだこの可愛いの塊…さすが東京…え、feastの人のじゃん最強では?と固まった。もともとfeastは小胸さん向けのブランドということで知ってはいたのだ。トリガーワンピースという名前も強かった。
こんなの撃ち抜かれるに決まってるじゃねえか!!トリガーの名は伊達じゃねえ!!!
……こんなに語っときながら、実は私このトリガーワンピースのグレー持ってません。はい。言い訳しておきますと、当時卒業旅行を間近に控えて金欠も金欠で、貯金をとにかく切り詰めていた。そもそも大学時代はしまむらと友人が大量にくれたaxes femmeで生活してる人間だったので服に5桁もかけたことがなかった。3000円で高額に感じる人間だった。5桁…かわいい…でも…春から新社会人の人間に今この額は…出せぬ…と諦めた。
買っときゃ良かった!!!!と今なら思う。まじで。後からハヤカワ五味さんも言ってるけど『推しは推せる時に推せ』ってガチでした。ほんと。今もなおトリガーのグレーのFサイズ探してるけどマジでない。Sしか見かけない。
そんなこんなで私がトリガーワンピースを知ってから約半年。なんと、大阪でダブルチャカの展示会が開かれることになった。しかもトリガーワンピースの新作であるラグジュアリーver.も置くという。
行くしかなくない?
というわけで私は出たばかりのボーナスを引っ掴んで大阪に行った。方向音痴ながらなんとか展示会にたどり着くと、ダブルチャカに身を包んだ同志たちが並んでいた。こんなにいるのか、同志が。どうしよう買えるかな…と思いながら展示会に入ると、たくさんの女の子たちと、その奥に可愛いワンピースがたくさんかかっていた。
やばい目の前にダブルチャカのワンピースがこんなにある…!と非常にドキドキした。財布の中身的に、買えるのはたった1着だけだしトリガーワンピース欲しさに来たのにどうしようどれも可愛いんだけど!?とりあえず私はこの時に買うワンピースで、当時のJUMPのアリーナツアーに行こうと決めていた(なお外れた)。
あの子のワンピースのシースルーストライプver.と大変迷った。いや可愛すぎるやんけ…。でも、憧れのトリガーワンピースもマジでやばい…と私はどちらも試着させてもらい、めちゃくちゃ迷ってトリガーワンピースのブルーグレーを選んだ。スリップも合わせて買った。トリガーワンピースは背中が大きく透けるワンピースなので、美しく着るためにはスリップが推奨されていた。なおそのスリップも着心地最高であった。
こんなに高い買い物は生まれて初めてだった。しまむらとGUで生きてきた人間(axesはもうこの頃にはしっくりこなくなっていた辛い)が、5桁のワンピースを買ったのだ。
帰り道ずっと胸が高鳴っていた。ほんとに、本当に大事な時にだけ着よう、あとこのワンピースが着れる体型は維持しよう…と誓ったのを覚えている。
なおトリガーワンピースデビューは9月の夏休みだった。友人に「くびれすごない!?」と突っ込まれたのを覚えている。そう、トリガーワンピースを着て生まれるシルエットは天才的すぎるのだ…。着れば気持ち背筋がしゃんと伸びるし(当社比)、とにかく自分こんなにスタイルよかったっけ?という気分を味わえた。
そんなわけで私の中での一軍服というか戦闘服ナンバーワンはその一年はトリガーワンピースだった。LAVISHOPも、いつか行くんだ…お金貯まったら東京に旅行行くんだ…と思っていた。
……ダブルチャカのクローズが発表されたのは、2019年4月のことだった。
もともとダブルチャカは、ハヤカワ五味さんが「自分に合うワンピースがない」という理由で立ち上げたブランドだった。しかし、売上の低迷と、ハヤカワさんご自身がブランドを立ち上げた時よりも安価で多くの服が選択できるようになったから、という理由でクローズを決められたのだという。
今はもう読むことができないクローズ発表時の文章。最後に書かれていたのは、『推しは推せる時に推せ』だった。コロナ禍になって数年、この言葉は身にしみて感じる。コロナの影響で消えてしまったお店は数知れず。感染状況と勤務状況、物理的なことで涙を飲んだ。
もともと言われている言葉ではあるが、私がこの言葉を強く実感したのはこの時が初めてだった。今も何かに、特にファッション系の買い物で悩んだらダブルチャカのクローズが頭をよぎるくらいにはこの言葉は原動力になっている。
クローズ発表の2ヶ月後、私は大阪で開かれたダブルチャカの展示会に向かった。その時に買ったのは、スリップとダブルチャカ最期ワンピースであるグレースワンピースだ。
そして私はこのワンピースをその夏の観劇2回とライビュに着用した。品よく涼しく、最高だった。何よりポケットがあるのでハンカチが入るのがありがたかった。ダブルチャカのワンピースはポケットがあるものが多い。スマホを入れると膨らむけど、薄手のハンカチが入るというのは便利すぎた。お手洗いの時とかめっちゃ便利やん…可愛いのに痒いところに手が届く…。
やっぱりダブルチャカは神ブランドだった…と涙を拭うためにハンカチを引っ張り出しながら思ったのだった。
……ダブルチャカがクローズして2年と数ヶ月。社会人5年目になり、ダブルチャカが存在した時よりもお金に少し余裕が出てきた今、昨年から私は少しずつダブルチャカを買い集めている。色んな可愛い服のブランドを見てきたが、やはりどうしても欲しい、と思えるのは未だにダブルチャカだけだ。
今私のクローゼットにかかっているのは、先に書いたトリガーワンピースラグジュアリーver.のブルーグレー、グロリアスワンピースのビリジアン、パピヨンワンピースのラベンダーと、
リトルブラックドレスと、
フレイヤワンピースの黒である。
どれも着ればくびれがすごいことになる。可愛いのだ…とにかく…。
ほんとはパピヨンワンピースのイエローとブルーも欲しい。あとグレーも欲しい(要は全色欲しい)。
初代トリガーワンピースのグレーもめちゃくちゃ欲しい。
そろそろ年齢的にどうよ?とは自分でも思う。でも、ダブルチャカのスローガンは『好きなものも人生も諦めない』である。全力で着るぞ。着れる体型のうちはね!!
いつか見つけてやる、トリガーワンピースのグレーのFサイズ!!!